プロローグ

悪夢の様な年だった。
2011年、浦和レッズは18チーム中15位という成績に終わり、しかも最終節でようやく残留を決めるという散々なものであった。

そして迎えた2012年シーズン。
浦和は新監督に元日本代表監督である岡田氏や元ガンバ大阪監督の西野氏、元広島監督のペトロビッチ氏ににオファーを出したが、いずれも交渉は破談に終わった。

そこで白羽の矢がたったのは、現役時代「ミスターレッズ」の愛称でサポーターから愛された
福田正博氏だ。


サポーターから絶大な人気を誇る福田氏が監督に就任したことでメディアでは、
「浦和の救世主」と大きく取り上げられた。
しかし一方では監督経験が無いことからネガティブな意見も多い。

それに対し福田新監督は埼玉スタジアムで行われた就任会見で、
「確かに私のキャリアを見て不安に思う方は多くいると思います。しかし今、浦和は昨今の成績から判断しても生まれ変わらなければいけない時期にいる。そして私はそれを成し遂げる自信がある。だからこそこのオファーを受けたんです。そういった信念や志向するサッカーの考えがしっかりしていれば、監督経験の有無は関係無いということを私が身を持って証明したい。」
と自信を見せた。

期待と不安が渦巻く今年の浦和レッズ。果たして、その運命やいかに。